新・町おこし078:プロジェクト開始

新・町おこし078:プロジェクト開始――第2部:痛いよ、詩織!生徒会室に急きょ「標茶町活性化プロジェクトチーム」という貼り紙が掲げられた。メンバーは、責任者の菅谷幸史郎が選んだ。生徒会からは三役の野方智彦、寺田徹。新聞部からは南川愛華、瀬口恭二、藤野詩織。そして運動部の越川翔と穴吹健二という顔ぶれである。越川と穴吹の選出には、全学一体になって推進するという、幸史郎の強い思いがあった。 メンバー入りに関して越川翔はいったんちゅうちょしたが、「運動部をまとめて町長とともに汗をかいてもらいたい」の一言にうなずいてみせた。そして「わかった。一切のわだかまりを捨てて、おれも爺さん孝行の仲間になる」といった。 穴吹健二は、「菅谷さんといっしょに、何かをできるなんて夢のようです。なんでもやります」と驚喜している。?「標茶町活性化プロジェクト」の最初の集まりに、愛華は新聞の授賞式のために欠席した。越川翔は瀬口恭二を見て、すぐに近寄り深く頭を下げた。「からんで申し訳なかった。ごめん」 ぶっきらぼうないい方だったが、真意は恭二に伝わった。恭二は手を差しのばし、二人は固い握手を交わした。 

陰っていた室内に、急に明るい陽光が差しこんできた。恭二は越川の目をみて、きっぱりと告げた。「標茶の発展のために、いっしょに汗を流させてください」 越川の口から白い歯がこぼれた。それは差しこんできた陽光を受け手輝いていた。